ガイユの書 薔薇の灰に祈りを

ガイユの書 薔薇の灰に祈りを (コバルト文庫)

ガイユの書 薔薇の灰に祈りを (コバルト文庫)

著:響野夏菜 イラスト:凱王美也子 レーベル:コバルト文庫
すべては、行き場のない愛と死からはじまった…。北方の小さな町の旅宿“白羊亭”にひきとられひっそりと暮らす少女、ポーシア。彼女はじつは、おのれの過去を知らず、愛する者を失い、たったひとりこの世に放り出された“灰かぶり”―秘薬“薔薇の灰”のこどもたち―だった。正体が露見すれば不死の怪物として忌まれる身に、謎の追っ手がつぎつぎ忍びよる…。新・伝奇ロマネスク。

響野夏菜さんの新シリーズ。月頭の作品を今頃書くのはどうよと思いますが、とりあえず読んだ物から。東京S黄尾シリーズしか読んだことがなくて自分には合わないと思ってたので、全然違う作風に驚きました。舞台は中世の魔女狩りをモチーフにした世界で、話が始まったばかりなので明かされていない世界設定もあるけど導入としてのつかみはOKということで。色々なキャラに視点を振ったのも成功だと思いますし、ヒロインの人間としての姿と人に作られた者としての違った姿が現れているのも良かった。
救いのない逃避行の先に何があるのか、この先が楽しみです。