あさぎ色の風

あさぎ色の風 (あさぎ色の風シリーズ) (コバルト文庫)

あさぎ色の風 (あさぎ色の風シリーズ) (コバルト文庫)

著:藤堂夏央 イラスト:雪船薫 レーベル:コバルト文庫
文久二年。江戸城の坂下門外で、老中の安藤信正が水戸の浪士たちに襲われ、負傷した。異国の船が姿を見せるようになって以来、国中が騒然としている。攘夷論、開国論、尊皇倒幕論、尊皇佐幕論、公武合体論。それらのさまざまな思想が、結びつき、あるいは対立しあって、複雑な状況になっていた。この頃、これから世に名を馳せる沖田総司土方歳三は、江戸市ケ谷の天然理心流・試衛館にいた。

新撰組のありし日を描いた作品です。沖田・土方の視点で話が進むのですが、まだ江戸にいる頃の話なので、世間一般でイメージされているのとキャラクターが違う部分もあります。また作者は大学で日本史を専攻していただけあって、時代描写も上手いです。中でも病気の説明にコミックスのJIN -仁-を思い出しました。新撰組等歴史ものに興味ある方にお勧めということで。BLに分類されることもあるみたいですが、土方と沖田の言葉の絡みがせいぜいで、物語のラストを除けばあまりそのような感じはしませんでした。