マテリアルゴースト

マテリアルゴースト (富士見ファンタジア文庫)

マテリアルゴースト (富士見ファンタジア文庫)

著:葵せきな イラスト:てぃんくる レーベル:富士見ファンタジア文庫
アクションもラブも満載!?マジカル・ゴースト・ストーリーフワフワ開幕!;式見蛍は、「死にてぇなぁ」が口癖の高校2年生。「死にたい」大きな理由はないけれど、「生きる」理由もない彼に、ある事件がきっかけには「幽霊が見える」という能力がやどる。それはさらなる事件のきっかけだった。
目次の部分が普通の作品とちょっと違いますね。ファンタジア大賞佳作。
死にたがりの少年と幽霊少女、霊感巫女等のラブコメ(一部)。幽霊が触れる主人公の能力の設定、怪談話をベースにオリジナルの設定を付け加えている展開は上手いと思いました。主人公が死にたがりにしてはポジティブだなあという印象をあたえる1人称の文体も悪くなかったです。それだけに主人公の感情が途中で急変したところで、文中でフォローはあるものの自分はついて行けずに、感情移入できなくなったのが残念です。後半のヒーローパートの設定を生かした知恵比べが結構面白いだけに。
細かいところではそんなに描写がないんで分かりませんが、幽霊に話しかけている人達に対して、周りの人の驚きが薄すぎやしませんかね。ともあれ、作中の前半のコメディ部分は好きです。
話には全く関係ないところで、食事のレトルトの品定めにリアリティがあって思わず自分の生活のことを考えてしまいました。