神種-シェンシード-

神種-シェンシード- (GA文庫)

神種-シェンシード- (GA文庫)

著:渡辺仙州 イラスト:哉井涼 レーベル:GA文庫
矢倉舜は西ノ杜高校に通う一年生。ネット上では凄腕のハッカーとしての顔を持つものの、普段は正義感の人一倍強い、心優しい少年だ。しかし、侵入した企業のサーバ上で謎のデータを見つけてしまったのを皮切りに運命の歯車が回りはじめ、舜はいつしか「神種」を巡る暗闘の中に呑み込まれていく。頻発する連続通り魔殺人事件、幼き日に出会った少年少女との再会。願いをかなえる「神種」とは、いったい何なのか。人類に何をもたらすのか。誰も失わないために、誰も悲しませないために、少年の戦いが始まる。
物語の設定は少し古くさい気もする、中国作品の翻訳などを手がけていた作者の初オリジナル作品。序盤のハッカーみたいに、物語にあまり生きてこない設定が多い気もしますが、その辺がもうちょっと絞られた方が(この巻だけとりあげてみたら)良かった気がします。登場人物達もテーマもあまりひねてなくて、比較的まっすぐなのは逆になんか新鮮。犯人は大体すぐに分かっちゃうんだけど、その後の犯人の言動にぞくぞくきてしまいました。その辺りから終盤に向かってのサスペンス風味の流れは良かったと思います。しかし、ラストシーンはそうじゃないだろう、そうじゃ。なんでそこで出さない。
続巻へはってある伏線が気になるところです。