パラケルススの娘3

著:五代ゆう イラスト:岸田メル レーベル:MF文庫J
ロンドンに「マダム・ニュイ」と名乗る女吸血鬼が現われ、上流階級を中心に犠牲者の環が広がっていた。そして伯爵夫人ヘレンのパーティで遼太郎の義妹、和音に目をつけた彼女は、和音を自らの仲間に加えるべく、兄を慕う和音の心の隙をついて彼女を襲う! 救出に向かう遼太郎!! 一方、ロンドンの霊的均衡を取りもどすため、〈女主人〉と〈評議会〉からそれぞれ要請を受けたクリスティーナとシヴィル・セント・クレアがマダム・ニュイを追う。その最中、クリスティーナとレギーネの秘密が解き明かされる!? 大好評マジェスティックファンタジー第3弾!
今回はロンドンを吸血鬼が襲う話です。彼女のモデルは中世に少女の血を集めていたエリザベート夫人でしょうか。
物語はきちんとしかれた伏線も回収していて、敵に前巻ほどのインパクトはなくちょっとベタですが、これまでと同じように安定した面白さでした。和音の部分が少なかったのが残念と言えば残念でしょうか。レギーネが感情を見せてきたことと、一巻で出てきたマクスウェルの正体が分かるのが特筆すべき点でしょう。しかし、誰がヒロインなのか分からんね。女殺しの遼太郎はもうちょっと言葉に気を遣った方がいいと思います。
次巻はお婆さまとクリスティーナの過去話だそうで。この面々がいないのは残念ですが、クリスティーナの正体が少しでも分かるか楽しみです。
一番驚いたのは、バ(略が魔術師としての筋が良いという口絵の説明。そうだったのカー。