試作品少女 空想東京百景

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月下に冴える早撃ちの銃口!冷えた拳銃に心まで凍りついた情無用の魔人たち!昭和三十七年、この世界とは似て非なる平行世界“東京”の闇の中で…凄腕の殺し屋・蓬莱樹一郎は謎の犬耳美少女“翠”と出会った!宇佐美渉の手による40枚以上の美麗なイラストとコミックを満載した異色ジュブナイルポルノ


イロ本です。作者は海野十三の小説を跳訳した十八時の音楽浴を執筆されたかた。
大戦中に新型爆弾を落とされた東京の一角は政府の手が届かない無法地帯と化しています。其処を舞台として、殺し屋として生計を立てる男が、殺しの依頼に失敗し、その力を剥奪されるところから物語は始まります。彼はその力を取り戻そうと足掻くわけですが…。
其処此所に入る昭和を感じさせる虚実が入り交じった小ネタがノスタルジックな雰囲気を醸し出し、舞台となる場所の退廃的な空気が混ざり合って何ともいえない世界を作り出しています。巻末にも多くの解説が入っているのですが、かなり作り込まれている様に見える作品のベースとなるこの世界観は魅力的に感じます。そんな世界に拠ってたつので何があっても不思議では無いと感じさせるなか、彼が力を取り戻す過程を描く後半の展開はちょっとついて行けずに煙に巻かれてしまった感じでした。
ただ、こういった作品につきもののエロシーンがグロシーンにしか見えないのには参った。眼痕の部分での性交とか、触手にピーされながらのとか。イラスト補完なのか。狙っている層があまりにもニッチすぎないかと思いますが、読者層には受けたのでしょうか。
しかし、後半の解釈にもにょって大分長い時間悩んでました。試験中にそんなことやってるから単位落とすんだよアホ。