お留守バンシー

お留守バンシー (電撃文庫)

お留守バンシー (電撃文庫)

著:小河正岳 イラスト:戸部淑 レーベル:電撃文庫
むかしむかしといってもそれほど昔ではない、科学が迷信を駆逐しつつあった19世紀中頃。かつては人々に恐れられた闇の眷属も、今ではわずかとなった聖域にこもり、ひっそりと暮らしていました。東欧の片田舎にあるお城もそんな聖域のひとつ。そこの住人たちは、実は人間ではありません。見た目は可愛らしい女の子アリアも実はバンシーという妖精。彼女は気のいい同僚たちと慎ましくも平穏な生活を送っていたのです。そんな時、アリアはご主人様から大事な役目を与えられました、それは……。とっても長くて大騒ぎのお留守番、はじまりはじまり〜。

電撃小説大賞<大賞>受賞作。綺麗なお城を守ろうと奮闘する主人公バンシーと愉快な敵味方のドタバタコメディです。ストーリーも笑わせるものがあるのですが、それよりも泣き虫バンシー、おしとやかなサキュバス、ペンギンみたいな弱虫ガーゴイル等、登場人物各々のキャラ付けがうまく、サクサク読むことができました。バンシーの設定によるラストの締め方も綺麗に決まっていたので、続編にも期待。ほのぼのした話が好きな人にお勧めです。