狼と香辛料
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/02
- メディア: 文庫
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行商人のロレンスは、馬車の荷台で麦の束に埋もれて眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尾を持つ美しい娘で、自らを豊作を司る神・ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれたがよ。わっちゃあ、ホロ以外の何者でもない」まるで経験を積んだ大人のような話し方で、ロレンスを巧みに翻弄する少女。「お前は、本当に神なのか?」最初は半信半疑だったロレンスも、やがてホロが旅に同行することを承諾する。そんなふたりの旅に、思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらも、ロレンスはその儲け話に乗るのだが……。
電撃文庫の銀賞受賞作。賢狼のホロと主人公の丁々発止のやりとりが魅せます。ホロが時折見せる初心な部分がまたかわいらしくていい。ただ、事件が結構大がかりなものであるのに淡々と進んでいく印象を受けました。世界設定はしっかりしているのですが、交易や経済の話なので、少々地味に感じるかも知れません。続きが出しやすい設定なので、是非とも続きを読んでみたいです。狼の設定がいまいち分からない。
借りた金を取り立てるまで追いかけると言ったロレンスに対し、ラストでホロがロレンスのつけで買い物をして、ロレンスを待っているところがいじらしくてたまらないです。