さよならトロイメライ5 ノエル・アンサンブル

著:壱乗寺かるた イラスト:日吉丸晃 レーベル:富士見ミステリー文庫
顔を上げたお嬢様が、真剣な表情で小さく頷く。「じゃ、読みますよ」折り目を開く。新聞の切り抜きで作られた文字を、藤倉冬麻は目にする。『12月24日、御城学園において、真霜雪姫を狙う』真霜雪姫―政財界を動かす力を持つ、真霜の巫女を狙った、脅迫状―。師走の私立御城学園。新聞部主催のクリスマスイベントに駆り出されることになった、へっぽこ〈トップ3〉藤倉冬麻17歳。好きな人に想いを伝えるためのイベントと聞き引き受ける冬麻だが、イベント当日、真霜雪姫が学園を訪れるという噂を耳にする。さらに、実姉との再会に心が騒ぐ冬麻の元に、衝撃的な報せが届き―。止まらない未来に向かって動き出した歯車。聖なる夜に、祝福の鐘は鳴り響く。
新刊が出る前になんとか読んどかないとということで。去年あまり本を読まなかったのが響いてるなあ。
主人公周りのテンションの高い筆致は相変わらず。合わない人はとことん合わないんでしょうけど。それだけに間に入る、モノローグの文章の落ち着きが裏で起こっていることを際立たせます。なんか平穏な日常と紙一重な世界が怖い。これはハッピーエンド(都で!)で終わるんでしょうか。
主人公サイドのクリスマスイベントはテンション高く進み、中でもパロネタは三人衆との会話も笑えますが、「富士ミスはあなたに恋をさせます」をもじったやつがついつぼに。今作のヒロイン?八千代ちゃんの破壊力も抜群。
背後で暗躍してる方々はそろそろ構造図でも欲しいところですね。優しいトーマスにもいいところを見せさせてやってほしいなとも思います。
すごく気になる引きを残して、次巻へ。