帝立愚連隊

帝立愚連隊 (竹書房ゼータ文庫)

帝立愚連隊 (竹書房ゼータ文庫)

著:水城正太郎 イラスト:有賀ヒトシ レーベル:竹書房Z文庫
「魔術」を使うものたちが自らの能力を駆使し、密かに国家の覇権をかけて争いを続けている時代――。赤木宗一郎は軍人一家に育ち、軍籍もあるにも関わらず、昼行灯を決め込む自由人。彼は古来より伝わる鉄砲術「大東流合気銃術」を体得しているが、それを役立てることもなく、日々を楽しく過ごしていた。しかし、怪人シリル・クロウリーの陰謀を目の当たりにし、それを阻止するために立ち上がる。ともに戦うのは、大刀使いの少女、不良メイド、傀儡使いの少女たち!果たして、彼らは帝都の危機を救うことができるのか!?荒唐無稽、痛快無比の伝奇アクションがここに誕生!
水城さんの新作。戦前の日本で、ドイツからやってきた怪人と天文局の名の下に集まった日本の人間達が魔術などを駆使して戦う活劇です。おどろおどろしい雰囲気はなかなか。話の流れは尺が足りないのか、唐突な部分があり物足りないところもありましたが、終盤の決戦部分の盛り上げ方は見事という感じでした。それだけに最後の方で、敵の行動がへたれてしまったのがちょっと残念。
なりはともかく、変人度が高い人間はそんなにいませんでしたが、うさんくさい人間をかくのは上手いですね。大まじめに馬鹿なコトをやってるのは面白い。
話としては謎もたくさん残っているし、続巻があれば、あまり変わらないような気もしますが、赤城と強気な剣使いの少女・風音の関係の変化も楽しみです。
赤城宗一郎は昼行灯としての描写が途中まで続くんで、あらすじにあった彼の戦い方の部分は隠しといたほうが良かった気がしないでもなかったり。というか、あらすじは上手く話の筋を捉えていない気がします。
映像にしたら映えそうな作品でした。