烙印よ、想いを蝕め。

著:三田誠 イラスト:植田亮 レーベル:富士見ファンタジア文庫
雪のクリスマス・イブ。ちひろは、遊園地に来ていた。幼なじみの伸子、大切な友人・未冬、そして烙印局捜査官の少年キズナとともに。つかの間の幸せにひたるちひろ。そんな少女の前に、ボロ布のような服を纏った老人が現れる。死を思わせる、憂鬱で残酷なバイオリンの音色を響かせながら。「あなたは…誰?」「思い出していただけませんか?」知らないはずの老人。だが、彼こそは、“名もなき七人”の一人、“サリエリ”だった。ちひろの中で何かが弾け―。
シリーズ三冊目。起承転結の「転」だそうですが、いきなり本筋が動き出すなどほんとに急展開。次巻にも終わってしまいそうなので、どう纏めるかが楽しみです。
名もなき七人を含めて、飛行機墜落事故に関係者の多くが関わっていて、どうも狭いところでまとまっているというか内輪という感じもするのですが、逆にそれが意外性をもたらした面もあったので良かったと感じました。
対決する敵も申し分なく、キズナに新たな技も出てきて盛り上がりはいいところへ。またここまで印象が強い絡みがそこまで無かったちひろとのシーンもこれまでに比べると大幅に増えて、嬉しいところです。あとは残っている謎がうまく説明されれば、いうことはなしといったところ。
しかし、キズナがずたぼろで、全てが終わったあとどうなるか怖いなあ。