風の王国

風の王国 (風の王国シリーズ) (コバルト文庫)

風の王国 (風の王国シリーズ) (コバルト文庫)

時は7世紀。唐の皇帝、李世民の姪でありながら、商人の娘として育てられた翠蘭は突然皇帝に呼び出され、こう言われる。「そなた、朕の娘となって吐蕃国に嫁がぬか?」辺境の地、吐蕃(現在のチベット)に政略結婚で嫁ぐことになった翠蘭は、自ら馬に跨がり旅路に出るが、待ち受けていたのは、思いもかけぬ事件と、胸を焦がすような出会いと…。歴史を駆け抜けたヒロインの、運命の物語。


実在の人物をモデルにした、毛利さんのロマンス小説。
ヒロインの翠蘭が逆らえない皇帝の命に従って、結婚する為に吐蕃へ向かう旅路を描いた話です。
自分の出生の問題や母親との確執があり、女性ということで時代に流されながらも健気な翠蘭のキャラクターが良かった。女だてらに武器を操るに到った不器用さもほほえましいです。
異国に嫁入りする姫様が旅の途中で騒ぎに巻き込まれ、嫁ぎ先の王と出会うストーリーは王道をいくものなので、それが楽しめるのであればいい作品だと思います。脇のキャラクターの描写が少なく、そこはもうちょっとといったところでしょうか。
地図が無いので地理状況が分からず。世界史をもっと詳しくやってれば、ずっと楽しめたかも知れません。