いつか、ふたりは二匹
- 作者: 西澤保彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/04/28
- メディア: 単行本
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西澤さんがミステリーランドに書き下ろした作品。
西澤さんというとSF的な要素とミステリーを組み合わせ作風が印象的ですが、この作品においても、眠っている間猫の体を借りて歩き回れるという、ファンタジー風味も入り交じった部分が特徴的です。
猫の体を借りて、犬のピーターとお昼寝をしたり、探検を行うのが小学生の頃に戻ったみたいで楽しい。大人びているというか老けているような主人公がそれを行っているギャップも面白いです。
お話の骨格もキッチリしているし、中でも、少し苦くてほろりと来るラストと、最後に明かされる軽いサプライズがとても良かった。
子供が変質者に襲われるというテーマを扱っている割には、いつもの西澤さんみたいな毒のある悪意という部分が薄くできているので、子供に対しても勧めたくなるような作品でした。