狼と香辛料Ⅱ
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2006/06/10
- メディア: ペーパーバック
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シリーズ二巻目。相変わらずロレンスはホロの手玉にとられてばかりですね。老獪なホロをどうにかしてやりこめてやろうとして、完全に逆手にとられてしまうじゃれてるようなやり取りが何とも心地よい。相手の言葉を本気にとるとやけどしてしまうような言葉。食べ物につられてしまう姿。意味深な発言。この巻で出てくる羊飼いの少女へ、ロレンスの心が軽く揺れかけたあたりでは全く知らん振りをして、後でそこを確認するような、時折弱気の姿もみせる。そんな一挙手一投足に引きつけられてしまうわけです。
女だてらに羊飼いというきつい仕事を将来のために、苦労を厭わずに頑張る羊飼いのノーラも良かった、というかこっちの方が好みかも。一本芯が通った彼女も是非とも続巻にも出して欲しいと希望する次第です。
筋の方も前巻と比べても、窮地を打開する為にとる金の密輸という手段が、窮地に陥っているということが分かりやすく、スリリングな感じを味わわせるものでした。また、その解決方法に行き当たるまでのどん底をはい回る部分も、窮地に陥り、誇りを枉げてでも頑張る後半の部分もあるゆえにこの作品をいっそう輝かせるんだなあと。
いつもはあからさまにはしないものの、ホロとロレンスのお互いの事を思いやる姿、そして商人の取引の静かなバトルでも魅せてくれる作品でした。