ウェイズ事件簿2 淡き幻は薄暮より

王都襲撃事件も解決し、ようやくひと息ついたレヴァンの元へまたしても厄介な依頼が舞い込んだ。何者かがエルフの宝玉を盗み出したというのである。人間の心を映し出すというその宝玉は、所有者を不幸にしながらも力を蓄え、ついにはその真価を発揮し始めて…(欲と幻)。冬の訪れとともにラスラトアを訪れたひとりの男。圧倒的な戦闘能力で闇の眷属たちを灰へと還元せしめ、さらに街の裏社会の支配者、カザルスまでも凶刃にかけようという男に、レヴァンたちは立ち向かえるのか(狩人と掟)。再び蠢動する陰謀、サディアに課せられた宿命、リーズフレアの想い…。様々な思惑がからみあい、ますますヒートアップする探偵ファンタジー


こてこてなファンタジーな世界観の中での探偵ものの2冊目。持ち込まれる事件を解決しながら、段々と主人公も絡んだ全体の謎が解かれていくスタイルになっています。ただ、個々の物語の解決の仕方がほとんど物語の都合というか、主人公が流されるままに動いていったら話が終わるというのは面白さが確実に殺がれている気がします。ゲストキャラの男衆は結構面白いキャラクターをしているので、上手く筋を生かせればもっといい作品になりそうなんだけどなあ。
中でも人狼のヒロイン・リーズフレアのキャラクターは好みなだけに残念。主人公との過去を匂わせたり、掛け合いが魅せてくれます。自らの知らないところで謎を抱えていそうな、もう一人のヒロインの元気少女サディアも悪かないし。
次で終りだそうですが、物語は上手く閉じられるんでしょうか。
ところで、食べ物の描写が本当においしそうです。それが一番印象に残るのはどうなんだとは思いますけど。