風、天を駈けよ―ソードギャラクシー
風、天を駈けよ―ソードギャラクシー (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 荻野目悠樹,バハムーチョ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/06/20
- メディア: 文庫
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荻野目さんの富士見上陸一作目。あらすじだけ見たら、未来の世界に飛び込んだ侍の視点で活躍するお話だと思っていたんで、ここまで徹頭徹尾トリックスターな存在であると思っていませんでした。というかバカ? 空気を読まず戦闘でも会話でも引っかき回してくれるところは、あきれるを通り越して笑ってしまいました。おかげで未来の地球の人間である主人公の影が弱っちい上に薄い、薄い。ちょっといい雰囲気になったマリオン姫とも別れ別れになってしまいますしねえ。誰を中心に据えようとしているのか、いまいち分かりにくいです。
スケザは自分は戦いしかしない人間だというのに対し、この時代の武士は別にまだ専業じゃないから役割分担はなされてないとか、いくら日本刀を強化した単分子ソードでもここまで強いのはおかしいだろうとか色々つっこみたいところはあります。まあでもそれは脇においといて、艦隊戦に生身でつっこむようなぶっ飛んだお話は読んだことがなかったんで、そのあたりは肩の力を抜いて楽しめました。
この先は宇宙を分けた争いの話として展開しそうですが、上手く謀略話の方に展開できるのかな。この巻だけ取り上げると中途半端で、人間ドラマとして考えると正直微妙なお話でした。