アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女

アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女 (GA文庫)

アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女 (GA文庫)

ミュールとの戦いは終わり、世界を救ったライナーらは、すべての人々に届ける詩のため、「想い」を集める旅の途中だった。しかし、平和を取り戻したはずの世界では、異変が起きつつあった。グラスメルクの材料不足による物価の高騰、天覇による突然のレーヴァテイル大量解雇、次々と情緒不安定に陥るレーヴァテイル。ついにスクワート村廃墟にたてこもったレーヴァテイルと天覇の部隊が衝突する。レーヴァテイルの共通意識を支配している謎の存在に、ライナーは戦いを挑む。


ゲームのアルトネリコの後日談的なノベライズ作品。原作の方は一部界隈で大人気の作品でした。この作品の方は朴念仁のライナーを取り巻く三人のレーヴァテイルの少女(?)たちの恋の鞘当ては勿論のことですが、数ヶ月にいっぺん人間によって体に結晶を投与してもらわないといけない特性上人間に依存しないと生きられないレーヴァテイルと人間の対立を軸にして、きちんとその構造の歪さというものが描かれていました。おのおののキャラクターの性格もきちんとつかんで描写されているし、原作の雰囲気を壊さずノベライズされた作品だと思います。ライナーは相変わらず熱血暴走系で、オリカはうじうじしているし、シュレリアは天然で、常識人のミシャはあいだで割を喰っているのもありそうな感じでした。
用語説明に最初のページを割いているのは忘れかかっていた頭にはありがたい限り。あらすじと後書きで言及している物価の高騰は、本筋にはあまり絡まないのでそこに力を入れたという作者には少々疑問符が付く部分もありますが。
まだシェアワールド的な作品を出すみたいですが、次はどんな媒体で出すんでしょう。