メサイア

メサイア 警備局特別公安五係

メサイア 警備局特別公安五係

架空の日本を舞台に、公安5課に所属する事になる少年が主人公。公安5課とは表向きには存在しない人間で構成された組織で、殺し(禊ぎ)が許される代わりに、他組織からのフォローを一切受ける事が出来ない、サクラと呼ばれる存在。そしていざという時には見捨てられる宿命なのですが、唯一タイトルにもなっているメサイア(相棒)だけがその救出を行うことができる。そういった組織です。

物語が他国のスパイとの息詰る攻防かというと、さにあらず。どちらかというと、不死と呼ばれる主人公とこれまで相棒を死なせてきたメサイアの過去を掘り起こしながら、今起こっている事件と絡めていく人間ドラマの様相を見せています。なので、個人的な物語に終始していて、他国を巻き込んだ大掛かりなサスペンスを期待した身としては正直微妙でした。ただ、主人公のキャラクターの掘り起こしやメサイアという関係性のクローズアップという部分についてはある程度魅力的に描かれていると思います。
また、日本を含む関係各国が架空とはいえ、今に沿って描かれている部分もあるので、そのあたりでの現実世界のフラストレーション解消的な側面もあり、その面ではちょっとスカッとする物語でした。