なれる!SE3 失敗しない?提案活動
- 作者: 夏海公司,Ixy
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/01/06
- メディア: 文庫
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シリーズ3巻目。前二巻は自分が経験した事のない職種故に、半ばお仕事拝見みたいなノリで楽しめていましたが(残業についてはシンパシーが)、この巻は経験ある部分もありグサグサ来ました。提案営業とか死にそうです。
売り込み型の営業の基本として、受注によってお客様にどういうメリットがあるのか、また競合にどういう会社が入っていてどういう理由で選択されているのか、何を引き出せば受注に繋げられるのか探るなんてのは一番の基本として叩き込まれるわけですが、この巻では業種は違えどそれを丁寧になぞっています。きちんと決まった形で機会を設けてもらって提案し、受注に持っていく事ができるのは形としてはやりやすく、それ故に弱小だと価格面なんかで大手には太刀打ち出来ないのがとてもリアルでつらい話です。うう。
さておき。物語としては、案件を提案して、不利な情勢から受注に繋げる為に奮闘する物語として、獲得すべき内面が分かりにくい客と圧倒的に力を持っていて嫌なライバルの2つが丁寧に描写されていて、非常に盛り上がる展開でした。完全に不利な展開からの一発逆転を狙う展開ってのは燃えます。特に手がかりをつかんでからの終盤の流れは、快哉を叫びたくなるような感じですので、ぜひ読んでいただきたく。
ちなみに、今回はプロジェクトチームみたいになっている室見さんと梢さんなんですが、その二人を反目させつつも、きちんと回してる主人公も充分ハイスペックと思ったりしますが、過去の話を読んでさもありなん、と。お話の展開自体とはあまり関係ないでしょうが、主人公の資質が前巻とかも考えると、別の方向が向いてるなあと思ってしまいます。
この三人の関係では、ラブコメのかおりを軽く振りまきつつも、この巻の基本軸は室見さんとの話だったなあとも思いました。食い物で釣られたり、考え方を誘導されたりと、彼女が順調に手なずけられていて楽しいです。梢さんも要所は抑えてインパクトはあるんですが、やはり性格的にちょっと大人というイメージが。巻き返しに期待。
しかし、作業量とか全然分かりませんが、この会社この先マジで回るんでしょうか…。あと、カモメさんの能力がハイスペックどこじゃないのに驚愕。描写少ないけど無双状態です。何だアレ。