スイートホームスイート1 世界で一番いらない遺産

著:佐々原史緒 イラスト:カヅキレン レーベル:ファミ通文庫
「俺の曾じーちゃんが外人で、ヨーロッパの小国の大領主様ぁ!?」高校卒業の日に拉致同然に東欧の小国レーゲンシュヴァンツ共和国に、危篤の曾祖父を訪ねることになった戸丸一彦。だが、彼を待っていたのは、曾祖父ヴェルナー・フォン・フリューゲルトの死の報と、自分とひとつしか違わない美しい後妻アデルだった。しかし、その外見とは大違い、ヤクザ映画で覚えた広島弁を喋る女ジャイアン、アデルの下、遺産継承権第2位の一彦を待っていたのは、城の手入れ、農作物と家畜の世話、領地内の私道の補修etc.というガテンな日々だった。そのうえ、フリューゲルト家にはもうひとつ代々伝わる秘密があって……。人気作家佐々原史緒初の現代コメディ!

佐々原さんの新シリーズ。舞台を現代に変えて現代風のネタは入ったものの、ちょっと笑えてほろりとする作風は健在でした。苦労する主人公も(笑)
このあたりの佐々原さんのさじ加減ぶりは安定しててうまいよなあ。特に意地悪そうに見えて相手を思いやってる人とかの部分が。
現代風のネタも主人公の心の声として出てくることが多く、モンスター達が出てくるため中世風ファンタジーと言い換えても違和感が無かったような感じです。脇のキャラがそこまで大きな印象を与えていないのは、少し弱いかなとも思いますが、それはこれからの続きに期待と言うことで。屋敷妖精のブラウニー達がかわいらしいです。
ラストを見ると結局のところ、彼は住み着いちゃいそうですね。