英里の内緒がいっぱい

英里の内緒がいっぱい (ジグザグノベルズ)

英里の内緒がいっぱい (ジグザグノベルズ)

著:海城彬 イラスト:片瀬優 レーベル:ZIGZAGノベルス
犬も猫もハムスターも人間も!?すべての生き物を、こよなく愛する二階堂英里は高校1年生。同級生がオシャレやカッコいい男子に夢中になっていても、英里は大好きな動物のため、家猫で親友!?のナルトのため、獣医を目指してひたすら勉強する毎日。気分転換はアルバイト。これも将来の夢とリンクしていて、近所のワンちゃんの散歩を請け負ったり、ボランティアのお手伝いを引き受けたり…結構楽しんでいる。ある試験休み、この時ばかりは勉強を忘れて獣医である叔父さんの住む軽井沢へ行き、話を聞いたり、乗馬の練習をしたり…のはずだったのが、瑠里お姉ちゃんの登場で何かが起こりそうな予感。なぜわかるかって?実は英里には秘密がありまして…。

動物と話ができる女の子が主人公の物語。こういう設定は作者も後書きに書いていますが、昔読んだドリトル先生シリーズを思い出して楽しくなっちゃうんですけど、彼女の現実に抱える問題との噛み合わせが悪い感じがします。現実にファンタジーのエッセンスというのはさじ加減が難しい。
文章がだらだらとなっていて、場面の切り替わりが分かりにくいのが、終盤までテーマがあまり絞られてないため起伏のあまりないストーリーと相まって作品としてはちょっとなあという感じでした。動物がかわいいんで、この設定ならどろどろした部分を抜いて児童書のほうが向いているかも。
正直、動物の声がカタカナの連打なのは読みにくいです。