最後の宝貝

著:ろくごまるに イラスト:ひさいちよしき レーベル:富士見ファンタジア文庫
和穂の声は震えていた!「…これで宝貝が揃ったのね。七百二十六個の宝貝が全て回収出来たんだね」己の不手際のせいで地上にばらまいてしまった宝貝回収の旅に終着点が!?それなのに…。「えぇと、殷雷、この後はどうなるの?」涙を流す和穂がいくら待っても、仙界への道など現れる気配がない。数え間違いかと殷雷刀を断縁獄の中に入れてみたが変化はない。この状況は、いったい何!?ドラゴンマガジン増刊ファンタジアバトルロイヤルに掲載された表題作を含む5本に、書き下ろし短編1本を収録。大人気中華風異世界ファンタジー・シリーズの短編集第5弾。

ろくごさん短編の方も復活。いろんな話がごっちゃになった短編集でした。仙界の頃の話が多めだったんで、今までの短編集とはちょっと毛色が違って面白かったです。龍華仙人の嫌われっぷりは凄いなあ。
ただ、短編なりの人を騙すギミックと合理的な解決方法という作風は相変わらずといったところ。
甚来旗に呼び寄せられ、元の世界に戻るための解決策を考える「雷たちの大饗宴」と色々な仙人が見られた「仙客万来」が良かったです。氷の和穂の話が本編にどの様につながるのかも気になるところですが。パラレルワールドみたいな位置づけがいいんだけどなあ。
しかし、巻末の初出を見ると泣けてきますな。まるで冬目景の単行本みたいだ。