ネクラ少女は黒魔法で恋をする

ネクラ少女は黒魔法で恋をする (MF文庫J)

著:熊谷雅人　イラスト:えれっと　レーベル:MF文庫J
空口真帆。通称、黒魔法。あだ名のとおり黒魔法が趣味の真帆は、内心はかなりの毒舌家、でも人前ではうまくしゃべることもできない超内弁慶な少女。けれどある日、手に入れた魔術書のおかげで悪魔を呼びだすことに成功する。さっそく真帆は、自分を馬鹿にするクラスメートを見返すべく、「可愛くしてください」と願うが、契約の代償は真帆の恋心!「誰のことも好きになってはいけない」と言われる真帆だが、真帆は「そんなの、おやすい御用です!」と気前よく契約してしまう。望み通りの可愛い外見を手にいれて、さあ、ハッピーライフ!のはずだったのだが…!?ネクラ少女のハートフル学園ラブコメディ。MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞。

MFの新人さん。ネクラ少女の更生？物語でしょうか。外の態度と内面の、根暗に毒舌で前向きな一人称のギャップが面白い。ネクラ少女というタイトルからくるイメージを完全に裏切られるものでした。被害妄想やうじうじした性格はどこか暗い気持ちにさせられるものですが、そういうのをあまり感じさせられなかったのが大きかった。中でも妹とのやりとりで笑っちゃいました。
そこから段々と(外見が)普通の女の子になっていく過程も青春ものとしての基本を押さえてあり、ラストが見えていても読ませるのは上手い。演劇部に入り、恋をしてかわっていく描写がよかったです。その辺りは配置されたほかのキャラクターのバランスの取り方が上手かったのも大きいと思います。
シリーズ化はなくてもいいような気もしますが、とても面白かったです。