電脳のイブ
- 作者: 町井登志夫,鯱子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 文庫
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日々プログラムを進化させるバーチャルリアルゲーム。精巧なヘルメットをかぶせることにより、インターネット上で世界規模のロールプレイングゲームに参加することができる。麗子は、そのゲームに夢中になっているのだが、そこでできた友だちが、自殺を遂げる。このゲームのどこかに、彼女の死の謎が隠されているかもしれない。近未来を舞台に、アジアの少女たちが、電脳世界を舞う。第3回ホワイトハート大賞「エンタテインメント小説部門」最優秀賞。
町井さんのデビュー作。近未来の電脳世界を舞台に友人の自殺の謎を追う話です。ホワイトハートじゃ売れなかっただろうなあ。
今となってはちょっと違和感もある感じもしますが、こんなネットの世界があったらいいなあ。外国語のあんな綺麗な翻訳は無理な気もしますが。
ネットの電脳世界と現実の世界が交錯する話ではなく、別の世界に入り込む感じなんで、現実が影響されていくタイプの怖さはあまり感じませんでした。
その代わりにネット世界のテンポの良い展開は面白く読むことが出来ました。ゲームのコマンドのブロックが文中に挿入されているのは新鮮。短くぶつ切りにされた独特の文章も上手くはまっていると思います。