ソラにウサギがのぼるころ

ソラにウサギがのぼるころ (MF文庫J)

ソラにウサギがのぼるころ (MF文庫J)

著:平坂読 イラスト:湊ヒロム レーベル:MF文庫J
「とある事情」により親元を離れ一人暮らしをしている霧村聖司は、彼をモノにしようと強引に迫ってくるクラスメイトの冬木陽子をはじめ、悪友や美少女たちに囲まれながら、それでもどうにか「ごく普通の日常」を送っていた。そんな彼の前に突然、ドレス姿の女の子が降ってくる。幼くも美しい、ユウと名乗る自称「吸血鬼」の彼女は、千年前に死に別れた恋人の転生を探しているという。ただの妄想かと思いきや、ユウを連れ戻そうと謎のウサギ執事や腹黒メイドまでやってきて、聖司の日常は否応なしに「非日常“ラブコメ”」へと塗り替えられていく―。平坂読が贈るストレンジ・トライアングル・ラブコメディ、ここに開幕。
平坂さんの新作。吸血鬼の少女が昔好きだった、自分が転生させた人間を探して、主人公の住む街にやってきて大騒動というお話。
前シリーズに比べるとストーリー性アップ、ネタ度ダウンといったところ、と見せかけて途中からネタ満載。小ネタのパワーは前に比べると落ちるものの、エロく、クスリと来るものもあります。風潮を逆手にとったひねくれ具合はホーンテッドの頃からまんまですね。饒舌な主人公の一人称とネタラッシュで押すテンポの良さは独特のものだと思います。
ただ、前シリーズでも感じたんだけど、このように作中に小ネタを放り込む作風に対して、ストーリー展開がどうもとってつけたようなイメージがぬぐえないです。特に最後のアレはどうも。いや、シリアスに持って行くのが悪いわけではないんですけどね。テーマの「日常」を守るというのは悪くないと思いますし。
やってくる吸血鬼の幼女を月詠でイメージしてたんで、ぶっ壊されました。キャラ設定には微妙にローゼンも入っていた感じ。しかし、猥談好きなヒロインの片割れ陽子をはじめ、どいつもこいつもエロが過ぎるぜ。