円環少女 (3) 煉獄の虚神(下)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

著:長谷敏司 イラスト:深遊 レーベル:角川スニーカー文庫
たったひとりで地球に降り立った相似大系魔導師グレン・アザレイの目的は、《協会》を倒し、この世界を魔道師のものとすることだった。人類滅亡を宣言した彼を阻止すべく、仁とメイゼルは命を賭して南の島へ飛ぶ!

先月に続く下巻。もう仁は依存度から、完全にメイゼルにやられちゃってんじゃないのといった感じ。言い訳してるけど、負けてるよなあ。
ということで、グレンとの戦闘をメインにしつつも、様々な人間関係が錯綜していく本巻。とりあえず上巻ですっきりしなかった、メインの二人の関係がもどかしい部分を通りながら上手く?落ち着いたのが良かった。
上巻の方でそちらの描写に割合を割いていたこともあってか、へたれた意地を見せたケイツを始め、敵役のグレン、そして鬼火らの男衆のかっこよさがでていたのも好みでした。出てくるキャラクター達の悩み、苦しみ、怒り、誇り、そして信念の熱さが素敵。なかでもネリンと東郷の部分が作中では一番好きです。
過去話としては上巻の時にも書いたけれど妹の話が気になるなあ。とりあえず、エレオノールが生きていたことに乾杯。
視点の多い文章のせいかどうにも読みにくくて時間がかかるけれども、これだけ魅せて貰えるんだったらなんかもういいやという感じでした。
この先も大いに期待。