エクリトワールの蝶

エクリトワールの蝶 (角川ビーンズ文庫)

エクリトワールの蝶 (角川ビーンズ文庫)

著:生田美話 イラスト:如月水 レーベル:角川ビーンズ文庫
冥界の女王と契約し、中級死神の少女ジゼ。その「契約」とは、死神の仕事を立派に果たした暁には、人間に戻って、最愛の人の元へ帰ることができる・・・というもの。ところがジゼはおひとよしで失敗を繰り返してばかり。そんな彼女が、失敗を帳消しにする代わりに自分の死神の能力を奪い、不死の都に君臨する少女王レガテアと戦うことに!?


ビーンズ編集部イチオシの作品。
優しく、そのせいでひどい目にも遭いやすい死神の少女が、人間達に騙されたり翻弄されながらも心の中の確固とした部分は絶対に曲げない姿が光る作品。時に読む立場からすると、その姿は優柔不断に見え歯がゆくもありますが。死神と共に行動する、悪ぶっていながらも結構優しい狼のキャラクターが中々良かったです。
狼のハイドとジゼを赤ずきんちゃんになぞらえた描写が各所に出てくるのも面白かった。
ただ、助けようとしたレガテアに襲われる展開から始まって、二転三転する作品の展開は読ませるものの、伏線があるとはいえ最後のところの展開がちょっと唐突な感があります。また、その他の部分も全体的に文章が少し足りない感があるのが、読みにくい印象を受けました。
ところで衣装代わりになってた狼がはぎ取られた後、ジゼは裸?