絶世少女ディフェンソル 2

著:マサト真希 イラスト:芳住和之 レーベル:電撃文庫
「君臨者が誰かは、もう、おわかりよね」体育祭迫る新学期、桜菱中に嵐のような二人の転校生がやってきた。“王<レクス>”の璃堂千花は、傲慢高飛車お嬢様。彼女の“境界守護士<ディフェンソル>”滝坂リュウトは、口も性格も柄も悪い不良少年。主従の関係ながら犬猿の仲の二人に翻弄されて、慎とユイナは想いを深める暇もない。そこへ、新たな敵の予兆が現れる。体育祭の準備が進む中、次第に緊張が高まっていくが──。


シリーズ2巻目。二人で危機を乗り越えた慎とユイナのもとへ、新たな王と守護士が現れるというもの。
この巻でメインとなる千花とリュウト、慎とユイナのペアのお互いがお互いを想うが故に、相手が傷つくことを恐れて踏み込めずに、すれ違っている姿が上手く描かれていたと思います。特に千花とリュウトの二人の相手を守るために強がっている姿が青臭くていいです。終盤のシーンもお約束とはいえ、いいですなあ。そちらに分量を割かれた分、結構大きなはずのメインの二人の問題の扱いが軽くなってしまった印象は否めませんが、これはこれでいいと思います。
前作で出たキャラクターも上手く整理されたので、格段に読みやすくなり、戦闘シーンも前巻に比べるとこなれていて、読みやすくなった印象を受けました。ただ、戦闘については比較的トリッキーな戦いを展開してたんですが、心理描写に比べると今一歩といったところ。
王と守護士に跨る問題は残ったままですが、エピローグの幸せそうな姿を見ると、良い終り方を迎えて欲しいと思います。