いぬかみっ!9

著:有沢まみず イラスト:若月神無 レーベル:電撃文庫
何でも願いを叶えてくれる秘薬を巡り、ようこと薫の犬神、11人の女の子たちが大バトル!勝者を決めるのは、一人一人がルールを定める犬神伝統の“白骨遊技”。もうガチンコの筋肉勝負から早口言葉対決、挙げ句に啓太脱がし勝負まで、なんでもありのめちゃくちゃな状態に……。果たして、勝者となったのは? そして秘薬の行方は?この他、女学園を舞台にした話や、寒い雨の日にようこがお昼寝するほのぼのとした話など、全5編。さらには若月神無先生のコミックも1編収録!


いぬかみっ!も九冊目。コメディを初め、パラレルワールドなお話や過去話、日常の一コマなどバラエティ豊かな短編集です。サブタイは前巻から入るようになっていたんですね。
作品の方向性が一定じゃないんで、概しての感想を述べにくいんですが、シリアスな部分もありほのぼのした部分やお色気の部分もあるいぬかみらしいなぁという感じ。
短編の中では啓太がカエルである白山名君と契約するきっかけとなったお話が好みでした。弱いカエルが意地を振り絞って悪者に立ち向かう姿、たまにしか見られない啓太の正義感の部分を味わえます。変態コメディ一辺倒だと疲れてしまうので、こういうのがアクセントで入れてあるのが嬉しい。また、ほのぼのした日常の象徴である「こんな寒い日にはお昼寝して」も良かったです。暖かいなあ。
触れていませんが、巻末についていたコミックも含め、ドタバタ話も嫌いじゃないです。特に一話目の白骨遊戯のノリは、誰がどんないぬかみだったかを忘れてたんで悩みましたが、面白かったです。