食卓にビールを5

著:小林めぐみ イラスト:剣康之 レーベル:富士見ミステリー文庫
人数あわせでヒロインが参加することになった、ホームルームの自由課題である『狐狩り』ゲーム。しかしそれには裏の目的が!「最近この学校に、妙な生き物がいっぱいいるような気がしてならないのです」舌っ足らずな口調で一生懸命説明する言い出しっぺの黒井さん。確かにこの学校には、地球とすら関係ないモノが潜入しすぎです!というわけで学校に潜入した『怪しいモノ』を狩り出すことになったヒロインとその御学友たち。はたして学校に平和は取り戻せるのか?女子高生によるサバイバルゲームが妙に楽しい『狐狩り篇』ほか、8編の短編を収録。師も走る年の末。特に小説家で人妻で女子高生のわれらがヒロインは年末進行でクリスマスで旦那の誕生日で進路相談でと目の回る忙しさ!しかし、どんなに大変でもマイペースとのほほんぶりは変わりませんぞ。


ビールも五冊目。SF(少し不思議)なお話が主婦編と学校編半々で8編。どんな環境に放り込まれても、全く動じず対処するヒロインの態度がこの話を支えているんだよなとこのシリーズを読む度に思うのです。どんな宇宙人が出てきて、どんなことが起きても変なことがあるとつっこむそのスタイルは変わらない。周りの人との掛け合いも読んでて楽しいです。しかし、こんな風に自分の日常の周りに自分が気付かないだけで、宇宙人がいたら面白いだろうなあと思ったり。
作品の出来はずっと安定したもので、まったりした感じです。イラストの人もいい仕事してます。最後の魔王編は旦那に何らかの力があるという伏線なんでしょうか。深読みしすぎなのかなあ。
あ、話は統一理論が絡んだスポ根編と蛇さんがかわいいマンホール編が一番ヒットしました。おつまみ美味そう。