つばさ
- 作者: 麻生俊平,藤田香
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 文庫
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倉丘奨が通う茜台学園高校には、ヨーロッパの小国・エトワニア公国の貴族、クリス・シュタイアーが国費留学生として通学していた。奨は下校途中、クラス1の才媛檜垣翠子が、不穏な学生たちに取り囲まれているシュタイアーを助けに入ったのを見てしまう。思わず後を追ったが、腕力や荒事に慣れていないた奨はほとんど助けにならない。追いつめられる3人。どうもタダのカツアゲなどでない剣呑な雰囲気の中、一陣の風とともに学生たちをなぎ倒す女性剣士……いや木刀を構える矢吹静香先輩が現われた。どうやら陰から見ていたらしいのだが、いったいこの事件の裏には何があるのだろうか? そして〈TUBASA〉とは? 「オレが斬り込む。檜垣、おまえは御曹司を守れ」「心得ましたわ、先輩」 実力派が描く学園アクション開幕!
麻生さんのレーベルを移っての新作。自分に危険が迫ると鼻がツーンとなるという力以外はごく普通の少年が、学校の生徒を守るつばさというグループにひょんなことから参加することになるというお話。
作品の傾向としてはスニーカーで出していた探偵シリーズに比較的近いものがあるかな。ただ、富士見で昔出していたシリーズを期待するとダメかも知れません。
お話はつばさのメンバーの軽快な掛け合いがテンポ良く読ませます。導入に当たる物語のはいりがちょいと唐突かなあという感じはあったものの、そこからとんとん拍子に仲間に迎えられるところまでスムーズでした。
がむしゃらに頑張る主人公のキャラクターはどうも周りに比べると薄い気がします。というか周りのキャラクターの人数が多い上に、個性的で主人公を食い過ぎ。この作品の二人のヒロイン、才色兼備で強気だけれども、寂しがり屋で恋のライバルを気にするかわいらしい一面もある翠子と兄の代わりに日本にやってきた、素直で健気なアイナはとても魅力的でした。アイナが1回限りだともったいないなあ。
しかし、二の舞を踏むという文章は無いだろ・・・