不思議使い

賽穏寺未嗣が転校生してきた中学校では、ここのところ不思議な事件が頻発していた。未嗣がクラスにもなじんできたある日、寝不足を解消しようとクラスメイトの城山が保健室で寝ていると、学校にいないはずの看護婦に襲われるという怪事件が発生した。さらに転校以来いろいろ気にかけてくれるクラス委員長・吉住鈴が同じ看護婦に襲われたことから、未嗣は事件の調査に乗り出す。そして彼は、学生名簿に名前がなく、自分以外の生徒からは姿が見えない三人の女生徒に出会う。いったい彼女らの正体は!?そして彼女たちがつぶやく『幻象』と『デラシネ』とは何か?新感覚学園ファンタジー


学校の七不思議を巡る、ホラー作品かと思いきや、アクションものの風味が強い作品。不思議を感知する力を持った転校生の少年が、学校の怪談を科学的に解決しようとするうちに不思議の元でもあるトイレの花子さん達と知り合い、共に事件解決に乗り出すというお話。
怪談話に対処するというお話は見ることがあるんですが、怪談の元と協力して事件解決というのはあまり見たことが無くて新鮮でした。
特にメインで活躍する活発な杏子、冷静な菫子、控えめな椿子の花子さん達三人衆のキャラクターが、主人公と共に活躍するのが読んでいて楽しかったです。キャラクターがもっと掘り下げてあると嬉しかったですが。
主人公は転校生なので、途中までは彼が意図した部分もあり無難なキャラクターという印象だったのですが、ラストの戦闘のところでの姿と頭脳プレイは中々良かったです。とともにタイトルにも合点がいきました。