イコノクラスト3
- 作者: 榊一郎,kyo
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: 文庫
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イコノクラスト三巻目。
いよいよ、影の部分が牙をむいてきました。人を救う「英雄」であることの負の面にとらわれてしまった省吾を、レネゲイドが働かせるために花梨を誘拐します。
前々からそのことは示しているんで、ショックというものはないんですが、救うべき人を殺したことで吐くほど精神的に追い詰められてる省吾に対する仕打ちとしてむごい。花梨へのこれ以上のなにかも示唆されててうわぁという感じ。
そして、話が進むにつれての省吾の壊れ方の描写もすごいです。救世主とあがめる裏で行われている中には、きっとこうなんだろうなと分かるけれども、分かりたくないものもあり鬱、鬱。省吾達の食い物に混ぜてるのはアレだよなあ。
この巻だけ取り上げてみると、ちょっと話の進みが遅いのもあり、相次ぐ鬱描写におなかいっぱいという感じでした。
この先人質を取られ、壊れかけた省吾がどうなるのかはとても気になるところ。また彼を上手く操るためにつけられている姫巫女達、特にメリニに、元々の感情と相克して主人公を思いやる気持ちが表われてきている心理の変化も楽しみです。
しかし、もうちょっと明るい展望は無いものか。