天気晴朗なれど波高し。2

士官になったランゾットの乗る艦船が入港を間近に控えたある日、彼に衝撃の課題が課せられた。次の南洋への航海の際、洗礼の儀式を受ける他に、何か芸をしなければならないというのだ。それを聞いた彼に蘇った幼い頃の恐ろしい記憶―兄・ウェインが、腰に派手な布を巻いて、世にも奇妙な踊りの練習をしていた姿。まさか、あれと同じことを自分がしなければならないというのか。


海の男達の姿を描いた外伝2作目。
冒頭数ページの踊りの話題のところで、腹がよじれるほど爆笑。いやもう、このコメディとシリアスのバランスが素晴らしい!特に166pのダンスシーンの挿絵は必見といった感じでした。前作の叛乱話の後始末をしながら、新たな笑いの種を振りまいていっています。
主眼に置かれているのは変人・ランゾットと娼婦・オレンディアの交流、そして海の男達の祭り。
ランゾットにとって最後はちょっと切ない締め方ですが、割り切れなさを内包しながらもきちんと決まっていて、満足。
艦長による何気ない、されど意味深な一言もあり、彼らの後日を知っているだけに、この在りし日といった感じの幸せそうな姿は胸を打つものがあります。
1巻よりさらに面白い作品でした。