されど罪人は竜と踊る Assault

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

ガユスとギギナをいまだ苦しめる「ジオルグ咒式事務所」時代。事件の度にぶつかり合い、協力し、そして愛し合った、美しき青春の日々と崩壊までの事件を描く、「されど罪人は竜と踊る」待望の過去編がついに登場!


オルグ事務所にガユスが加わり、ガユスとクエロの恋愛関係を軸に、事務所の面々の平穏では無い日常を描いた短編集。別名ひねくれガユスの更正日記。
まだまだ弱いままで、まっとうに成長していくガユスの姿を見ながら、作品で結末が分かっているので、どうなってしまうのかハラハラしていたのですが、一番知りたいところは隠れていて、ちょっと拍子抜け。ガユスの言っていた自分は裏切り者というセリフを考えると、悪口を言い合いながらも、仲間としての姿が見えているジオルグ事務所に何が起きたのか本当に気になります。真面目で正義感が強いクエロは現在ではあんなになっちゃったし。
これまでの作品と比べると、人に対する苦さを突きつけられる部分は少なめ。代わりに事務所の変人たちが加わっての掛け合いがかなり面白いです。そして、パンハイマとの絡みのシーンを始め、文章上だけなのに痛みの描写がすごかった。特にクエロのあのセリフは男にはきつすぎますわー。
変人揃いの事務所の面々の中でも、いつでもどこでも自殺志願者のストラトスのキャラクターが面白かったです。