山姫アンチメモニクス
- 作者: 三上延,榎宮祐
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 文庫
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積読。こいつも1年近く熟成されてたのね。
ホラー物ばかり手がけていた三上さんが心機一転コメディに取り組んだ作品。記憶を抜く力を持った姉と、それを追いかけてやってきた戻す力を持つ妹が、主人公を巻き込んで学校で引き起こす騒動のお話。
完全に馬鹿馬鹿しいお話に徹するのかと思いきや、人の悩みの解決についてきっちり描かれていたのが印象的でした。
鈍感な主人公と、自分の感情に気付かないものの彼の行動にやきもきするヒロインの姿もいいなあ。
ただ、姉がやってる記憶を抜くことが、どうもコメディにはそぐわなくてそのあたりがいまいち。人格を変えるほどの影響力がある物を、良いことだと信じ込んで使ってずっと顧みないというのはねぇ。こういう暴走キャラクターは結構定番の物だけど、善意者であるというのがちょっと笑えないです。トイレが分からなくなる1話や4話の犬と主人公の記憶を入れ替える話みたいに、軽い物だとうまいと思うんですけど。