有翼騎士団1 風に立つ緑の姫君

カイザーの都ベルリンを駆け抜ける若きサムライ印南光太郎
江戸っ子気質の無鉄砲義を見てせざるは勇なきなりと、酔漢から助けだした美少年は奇怪な刺客―死人組の標的だった!
急転直下大冒険の扉が開く。赤毛の少年が握る欧州動乱の鍵とは?おのれの信ずるものを護るため刃持て戦え光太郎、力のかぎり。


赤城さんの作品。19世紀のヨーロッパで、旗本の子孫の青年が陰謀に巻き込まれるお話。
いやもうベタベタ。あらすじでは少年と書いてあるけれども少女だってことはすぐ分かるしなあ。ただ、それでも物語がつまらないというわけではなく、逆に面白く感じられます。これが王道を行く小説というものかーという感じ。
直情径行の正義感たっぷりの主人公に、敵から逃れるために少年の格好をしていた姫君とそれに仕える忠臣の爺、とある過去を持ったフランスの軍人、そして敵役として悲しい過去を持つ冷徹な美青年と毒の体を持ち人に触れられない妹と、キャラクター設定からして活劇に重要な要素がふんだんに詰め込まれています。各々の姿が熱い物語でした。
最後についてた赤城おろし語辞典は笑った。