待ってて、藤森くん!
- 作者: 壱乗寺かるた,カントク
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
- クリック: 33回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
かるたさんの新シリーズ。殺人と超能力ネタを封印された作者が繰り出したのは学園もの!です。
一途で正義感が強い藤森と世話焼きの幼馴染み吉野などが入ったばかりの学校で繰り広げる騒動のお話。主人公がそんなキャラなので、トロイメライに比べると、文章面での暴走も抑え気味、小ネタなんかも比較的抑え気味でした。ゆえにコメディ色薄し、ただ、真っ直ぐな主人公のキャラクターは好みでした。いきなり暴走して約束の少女と思った生徒会長に会いに行こうとした時はどうなるかと思いましたが。
作品の中では、悪役との、悪魔のミカタを彷彿とさせるボクシングの対決シーンが見物。ピンチに追い詰められてからの闘いぶりは面白いと思うんですが、願わくばもうちょっと細かく書いてもらえれば、逆転の際の爽快感が出たと思います。
その中ではボクシングのシーンだけではないですが、幼馴染みの主人公へ絶対に負けないという無条件の信頼を寄せる姿がとても良かったです。彼女のまんま犬のようなキャラクターは、主人公ととてもお似合いといった感じでした。
話自体は続ける気満々ですし、今後への布石らしきものがいっぱいだったんで、続きにも期待。ただ、ラストの黒幕の会話はバレバレなんで要らなかった気もしますねえ。正直本当に悪人というのはあまり感じられませんし。
ところで、続巻への布石とはいえ黒河さんのスルーっぷりにはビックリしました。いなくても話成り立つんだもん、ヒロインのはずなのに。