レンタルマギカ 魔法使い、修行中!

レンタルマギカ 魔法使い、修行中! (角川スニーカー文庫)

「ゲーティア」の首領であり、ソロモン王の末裔として72の魔神を召喚するアディリシア。しかし彼女の使い魔フォルネウスが突然コントロールを失い、こともあろうか彼女に襲いかかる。裏切り者の手によって、彼女は一切の魔法を封じられた上、魔神はすべて敵の手に渡ってしまったのだ!そして最強の魔神アスモダイがアディリシアに牙を剥く!いつきはアディリシアを救い出せるか!?召喚魔法VS妖精眼。異種魔術格闘戦第6弾。

気がついたらもう六冊目なんですね、レンタルマギカ。
この巻は隻蓮によるいつきの体術の修行を中心とした短編集。はしばしからいつきの成長が窺えます。ヒロインの方はアディリシア中心ですね、もう完全にリードした状態。「魔法使いとソロモンの血」あたりを読むとよく感じると思いますが、これに勝てるのか？ 穂波。作品の出来は普通といったところでしょうか、異種魔術戦が結構見られて、面白かったです。
「魔法使いとクリスマス」がお話として綺麗。いつきのクリスマスプレゼントの相談の話を聞いた女性陣が、彼の行動を気にして後をつけ回すというベタベタの筋も良いですが、人の良いいつきが関わった幽霊の子供たちとのクリスマスコンサートが、情景を想像するととても良かったです。
また、雑誌の方で「魔法使いとソロモンの血」を読んでいたので、対となる書き下ろしの「魔法使いとソロモンの絆」の方で裏で動きがあったことが分かり新鮮でした。隻蓮とアディリシアに仕えるダフネのお話なんですが、このように脇役同士の話もまた読んでみたいです。願わくばこの二人の行く末に縁があると嬉しい。アストラルの物語には途中参加ですが、いつもおだやかで、筋の通らないことに対しては怒り、戦う隻蓮は、主人公を支えるキャラクターとして物語にいて欲しいなあ。かっこいい。
しかし、時系列はどうなってるんだろう？