君の居た昨日、僕の見る明日―Round‐about Runners 4

幽霊学校に取り込まれ、元の世界に戻るはずが、何の因果か風紀委員長として偽物の学校生活を取り仕切るアグニエシカ。気になる優樹には女子が群がり、素直になれない自分は優樹に悪態ばかり。美少女の転校生までやってきて、ますます優樹への距離が遠く感じられる日々。「私は…君の事が―」自分の気持ちに気付いているのに、あと一歩が踏み出せない。いつから自分はこんなに意気地なしになったのか!?偽物の世界で生まれたこの恋を本物にするのは自分の力!咲かせてみせましょう!?恋の花!!不器用娘アグニエシカの青春ストーリー。いよいよクライマックス。


アグニエシカがついにメインに躍り出ましたよ、な4巻目。元々メインだったとおっしゃる向きもあるかも知れませんが。何かから逃げ出して異世界の学校に迷い込んだ優樹と一風変わった女の子達の物語。この優しい世界から卒業することなるだろう最終巻まではあと1巻。
前半がお約束なラブコメで優樹に絡んだヒロイン陣にアグニエシカがやきもきするというベタベタな展開。その中で、皆の悩みや気持ちに少しづつ片が付いていくさりげなさが良かったです。新キャラとして登場した聖や、やっと自分の望みが分かってきたネレイドあたりは使われ方が何とももったいない感じもしますけどね。
そして終盤部において、優樹がある決断を下すわけですが、決断自体はそうなるんだろうなと思いますけど、あまりにもその必然性というか、どうしてそうなったかが分からないぐらいの急展開で、もうちょっとためが欲しかったなあという感じです。初恋の人に対する想いというものが幻想であったことに気がついてからの決断までの一連の流れはもうちょっとじっくりやって欲しい部分でした。アグニエシカは良い子ですけど、詩月の扱いがあまりにも中途半端な気がした巻でした。