ネクラ少女は黒魔法で恋をする2

空口真帆、通称黒魔法。特技(?)と趣味は黒魔法。新学期も去年と変わらないスタート…のはずだったのだが、二年生の真帆は少しだけ違っていた。一之瀬という先輩がちょっとだけ(ほんとにちょっとだけ!)気になるので、演劇部に参加してみようかと考えているのだ。勇気をふりしぼって演劇部が集まる体育館を訪ねると、あたたかく迎えてもらうことができた。しかし、演劇部には廃部の危機がもちあがっており、新入生からの部員獲得と顧問の先生獲得のために、真帆も手伝うことになる。「ここはひとつ黒魔法でがばっと人寄せを!」と奮起する真帆だったが、儀式を男の子に目撃されてしまい…!?


真帆のキャラクターが引っ込み思案ではあるもののネクラってほどではなくなった本作。着実に明るくなっていく真帆の成長した面と呪いの儀式などを行う部分とが混ざり合ってて、真帆のキャラクターは前作みたいにすごい面白いというほどではないけれども、前作の成長を受け継いだ成長が上手く描かれていると思います。彼女に起因するコメディ部分の面白さも健在。
コメディだけでなく、前作の終わりに皆が記憶を改竄されてなくしたものの、一人だけその記憶を取り戻した彼女の悩み、そして自分一人だけ同じことをなぞっているという無力感の描写も、前作がまるまる下敷きになっているが故にとても説得力がありました。そのようなことがありつつも自分のことだけではなく、自分と同じ疎外された存在だと思って好意を持ってくる後輩の神門の問題にも向き合うことができている姿は、成長したなあというしかありません。神門については演劇部の面々も絡んできて、一ノ瀬先輩への恋心との間での真帆の揺れる心も見物。妹放置かよ!というのは置いといて。
ただ、天使や悪魔という存在を具体的に強く打ち出して、それに対して深く関わらせたお話の展開については少々不満。そちらの方よりあくまで日常として展開して欲しかったと思いました。
生徒会との確執の謎が気になるなあ。