いぬかみっ! 10

長い眠りから覚めた川平カオルと、啓太、ようこ、ともはねの4人で始めた新生活。でも恥ずかしがり屋の彼女はなかなか心を開いてくれない。しかも、年少のともはねは、かわいいカオルにちょっとヤキモチを焼いてみたり。そんな川平家に、いったんバラバラになった薫の犬神が帰ってくる。なにやらヘンなものを引き連れて…。犬神・ようこと犬神使い・啓太の大人気ハイテンション・ラブコメディ、新展開で第10弾!


8巻で一区切りがついた事件後、薫の帰りを待つ啓太たちの生活を描いた短編集。後日譚という感じがなきにしもあらずですが。
短編はそれぞれが独立しているように見えて、お話がつながっています。冒頭の口絵から始まって、今までずっと眠りについていた内気な少女カオルが、川平家の一員としてのポジションをドタバタの中で確立していく様が見られて良かった。ついでに自分のポジションが侵されると思って焦るようことともはねの姿もおかしかったです。ほわほわしているようで、含蓄のある言葉を告げたフラノの過去も気になるところですが…。
作品としては正統派ドタバタコメディから男ばっかりの変態チックのやエッチなのまでそろっています。「かもな、まいはうすっ!」のたくさんの人?が訪れる温かくて騒がしい家の雰囲気も好きですが、やっぱカオルが啓太に家族としてきちんと心を開く「カオルの気持ちっ!」が良かったかな。一番生き生きしているのは男ばかりの「お風呂いっぱいの愛っ!」な気もしますけど。
また、ラストの啓太の独白のように、ドタバタの中にも皆が薫のことを案じられているのが上手いと思います。
しかし、言動が落ち着いたらいつのまにかモテモテになっている啓太が笑える。