イコノクラスト!5
- 作者: 榊一郎,kyo
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
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シリーズ5巻目。激動の戦闘が終わって、束の間の休息と新たな展開といった巻。
前巻でも変わったなという印象がありましたが、この巻最後の決断の部分をみて、省吾の精神の安定の仕方がやはり印象深かったです。まあ、最初は巨大ロボットを前にして無邪気に喜んでいるだけでしたから、そこからいったら格段の進歩という感じです。
教団以外のレネゲイドと対立する「血族」という組織が出てきたのはいいんだけれども、自分たちは優位の存在であるという考えに凝り固まっていて、あまりにもアホというか狂信的すぎてちょっと引く。こんな純粋培養な組織に身を任せた省吾の行く末に一抹の不安を覚えないでもなかったり。また、虎の子のロボットを奪われて、代行者に対抗するすべをなくしたレネゲイドがどんな手を打ってくるのかも興味深いところです。
また、省吾に横恋慕することになってしまったペルテアの報われなそうな恋の行方がとても気になるところです。メリニの一人勝ちどころか、ラブコメの部分でもメリニ一人しか見えていないような感じだしなあ。もともと精神の安定を頼っていた花梨の存在ですら省吾の中で薄くなっているような感じがひしひしとする訳ですが、こっちのほうはどうなるんでしょう。
この世界の神は本当に神のような存在だったのかという大ネタを振ったことはとても気になるし、物語の展開自体は明るくなって読みやすくなりつつも、物語の先行きに不安なところも残る巻でした。