ラブ★ゆう

ラブ・ゆう (ラブ・ゆうシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

ラブ・ゆう (ラブ・ゆうシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

高校生・神田俊が、RPGをしながら「女勇者ロザリーが本当にいたらいいな」と空想したとたん、画面からロザリーが出てきてしまった。タンスを開け、壷を割り、危機には剣を振り回すロザリーは、俊のことを婚約者だと勘違い。俊を幸せにするべく大騒動を巻き起こす!学校を牛耳るツンデレお嬢様・撫子や、俊の“お姉ちゃん”みことも加わり繰り広げる、スラップスティックラブ・コメディ。


七月さん移籍。ゲームの世界の女勇者が現実世界の少年の下に現れるラブコメディ。ノリは電撃で出していた白人系に近いですね。
勇者としては(主人公が)最強まで育てていたのに賢さは40という設定が、ゲーム世界からこの世界にやってきたことによるギャップだけではない、微妙なバカさを出していて良かったです。RPGのネタは笑いました。それ故に基本真面目にバカをやっている彼女が時折見せる、恋心に悩んだり、役に立とうとして物事に真摯な姿が映えるわけですが。中でも終盤デートに臨むあたりは本当にいい。
ヒロインに加えて、サブヒロインの従姉妹のお姉ちゃんキャラのみことと高飛車ツンデレお嬢様の撫子のコテコテな三人衆のあくが強すぎるんで、ギャグ中心なんかなと思っていたんだけど、終盤が妙に真面目な展開になっていたのは意外でした。ストーリーの方はいいと思うんですが、ギャグが上滑りしていたのが、自分があのテンションについていけないだけなのかも知れないけど、ちょっともったいない感じがします。みことがことあるごとに「ニートになっちゃう」って叫んで気絶するあたりはねえ、うざあまり好きになれませんでした。しかし、あんなフォントいじりも出来るんだなあ。
終盤の展開を見ると、この先(あればね)コメディに徹するのかどうか分かりませんが期待しています。無条件で応援ですが、書かせてもらえる余裕が出来ましたら、また切ない系も書いて欲しいと思いつつ。