さよならトロイメライ (7) 想いの輪舞曲
さよならトロイメライ〈7〉想いの輪舞曲 (富士見ミステリー文庫)
- 作者: 壱乗寺かるた,日吉丸晃
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/12
- メディア: 文庫
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半年以上ぶりですな下巻。お久しぶりなんで細部は微妙に忘れかかっていました。
がんばるトーマス君の役回りは、北森学園でもいじられつづけで相変わらずヒロインみたい。配役が囚われの姫ですからぴったり致し方ないですね。本人弄られるの楽しそうだし。黄桜と一緒に潜入した八千代ちゃんが奮闘していた割に、あまりいいとこなしというかおいしいところをかっさらわれていたのががっかりであります。いや、八千代派ではありませんけれど、駆け足になっていた終盤の中でも喧嘩になっていたトーマスとの和解のシーンをもっと取って欲しかったなあ。彼女がトーマスに素直に自分の思いをぶつけて泣いているところは良かったですが。
津々美ちゃんも前巻の姿を見て裏があるのか深読みしていましたが、素直な方でした。頑固一徹というか義理堅くて一本気という感じの彼女が、優しいトーマス、そして都に触れて、家の駒であることに素直に従っているところから変わっていく姿が印象的でした。最後の別れのところが良かった。
しかし、そんな彼女たちも自分を強く持っているお嬢さまの前では皆かたなしです。さらわれたトーマスを迎えに来た終盤において全てを許容し、敵になるかもしれない相手を励ましているて彼女の姿は凛々しいという言葉がぴったりきます。そのように三者三様にそれぞれ魅力のあるヒロイン達でした。
物語の話。ある程度はあちらの方で雑談なさっている黒幕さん達の手のひらの上ということは分かってはいたんだけど、最後の入れ替わりの話までは思いつきませんでした。それを考えるとお嬢さまと津々美だけじゃなくて、八千代と津々美の立場も微妙にシンクロする部分もあるんだよなあと思ったり。今度は婉曲でじれったい会話を交わしている雑談の方々も慌てさせることは起きないかなあ、会話は十分面白かったけれどもさ。局部的な権力闘争だけでは、全体としてどうなっているのかいまいち分からないけれど、次あたり大きな動きがあるんでしょうか。
小ネタの中ではテニプリネタが一番吹いた。今回は色々とぎりぎりなネタが多くて、そっちの方でも楽しみました。イラストもコミカルなのが増えていたのが好印象。