フォーソルティアの風
- 作者: 藍原みつと,KeG
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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新人さん。北の浮遊大陸で、旅をする少年は不思議な力を持った少女と出会ったというお話。
これぞボーイミーツガールの王道という感じの作品で、今時ではちょっと珍しいかも。まっすぐな少年と謎めいた気の強い少女が、二人で力を合わせてという最後の展開までが、パターンとしてよくみる感じだったので、逆に新鮮でした。故に先が分からなくてわくわくするという感じではないけれども、反目しあっている二人が様々な出来事を通して仲良くなっていく過程あたりはどことなく懐かしい。特にこの地を統治している組織に捕らわれたギンをソラが救出しに向かうくだりは躍動感があって、知らず知らずのうちに頭でそこの部分をイメージしていました。統治政府に対して独立組織を作っているイヅルや、ソラの父親のイスカといった、二人の周りの大人達もそれぞれが独特な性格をしていて、いいキャラクターだと思います。
しかし、作中で出てきた世界設定には膨大な裏設定がありそうな香りはするんだけれども、序盤からあまりにも説明不足が勝ちすぎてて、正直どうかなと思う部分もなきにしもあらず。舌足らずというか、ずっと断片だけを見せられているところが、消化不良といった印象を受けました。あと、最後に対決する相手として、敵があまりにも小物すぎる感じは否めないです。
冒険ファンタジーとして綺麗にまとまった作品なれど、少々古びた印象を持つ作品といったところでしょうか。まあしかし、この世界観はつっこみが入っても仕方ないかな。